往診や訪問診療は、看護師だけで患者宅を訪れる訪問看護と異なり、医師に付き添うため、看護師にとっては精神的負担が少ないと言えるでしょう。
ただし、医師が同行するとはいえ、医師が診療に専念できるよう、看護師は万全の準備を整えなければなりません。
薬剤や治療器具が備えられた病棟と違って、往診や訪問診療では現場で必要となる物を選んで持参する必要があります。
現場で求められる薬剤や医療器具がなかったり不足したりすると、診療に大きな支障をきたしかねません。
また、計画的に実施される訪問診療の場合、複数の患者宅を効率的にまわれるようにスケジュールを立てておく必要もあります。
その際、患者の容態や予想される診療時間などを踏まえ、患者宅の位置関係を考慮して合理的な計画を立案しなければなりません。
訪問前には患者宅に連絡し、訪問時には訪問診療の内容を定めた契約書を交わします。
医師が診察している現場では、医療行為を補助したり、病状や治療法について家族へ説明したりする対応も必要です。
患者を支える家族の不安や悩みを聞いて、メンタルのサポートをすることも重要な看護の一つといえます。
また、処方箋を管理し、患者が適切に服薬できるよう配慮することも欠かせません。
必要ならば、看護師が患者の代わりに薬局と直接交渉するケースもあります。
往診や訪問診療が終わって病院に戻った際は診療記録を作成する作業もあり、様々な準備と作業があるのです。
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